1年間毎日1箱のたばこ..喫煙によって肺では150個の突然変異、がん化?
国立研究開発法人 国立がん研究センターは、毎日1箱のたばこを一年間吸う事によって、肺の細胞遺伝子の突然変異が150個蓄積するという研究結果を公表しました。
(http://www.ncc.go.jp/jp/information/press_release_20161104.html)
この研究では、がん患者5,243症例で、喫煙者と非喫煙者で、17種類のがんについて遺伝子変異の数を比較しています。
(喫煙者患者2,490症例、非喫煙者患者1,062症例、喫煙データなし 1,691症例)
遺伝子変異の数は、肺がんが最も多く、150個、それ以外のがんについても、下記のような数になっています。
- 喉頭がん 97個
- 咽頭がん 39個
- 口腔がん 23個
- 膀胱がん 16個
- 肝臓がん 6個
喫煙によって発がんリスクが上昇するがんは3タイプ
たばこ由来の発がん物質がどのように影響するかによって3タイプが存在する。
- 発がん物質が直接的に突然変異を誘発するがん
肺がん、喉頭がん、肝臓がん - 発がん物質が間接的に突然変異を誘発するがん
膀胱がん、腎臓がん - 特に変異パターンの増加が認められなかったがん
子宮頸がん、膵がん
遺伝子の異常は、がんになりやすい
人間の身体は、60兆もの細胞からできており、細胞は遺伝子情報を元にコピーされるので、遺伝子の突然変異は、修復されずに蓄積されると、がんにつながります。
たばこががんのリスクを高めることは、わかっていますが、このデータはたばこ、喫煙によってがんが発症しやすくなるということを改めて示す結果となっています。
喫煙が遺伝子の突然変異を誘発していることから、がんの予防には禁煙が重要な要因となっています。